小鬼田平子と仏の座

今回は続々と増える雑草と そのお名前のおはなし🐰

小鬼田平子 まるでひとのお名前みたいですが、
コオニタビラコは 野の草花のお名前です。
通称は春の七草のひとつ ホトケノザLapsanastrum apogonoides
正式和名が小鬼田平子なんです。

先ずは、小鬼について。
 植物名の世界では鬼と姫が反対語どうしのあつかいなんです
 鬼:大きい・強い・野性的 オニユリ・オニシバリなど
 姫:小さい・繊細・可愛い・上品 ヒメユリ・ヒメツルソバなど
 鬼は大中小とあって、姫は最上級なのでランク分けがないの。
で、小鬼は何と比較して小さい鬼なのか?というと同じ田平子どうし。
タビラコ・コオニタビラコ(チュウオニタビラコ)オニタビラコ

次に、田平子は、
 田んぼ(や湿気の多いところに)に生えてる
 平(平たく地面に張り付くタイプ/ロゼット型の)
 子(小さくて可愛いもの/ ネコ→寝子→猫🐈)


そこで気になるのが同姓同名(?)の雑草ホトケノザLamium amplexicauleではないでしょうか。

葉をよく観察して頂くと、 茎をぐるっと巻くようについていることに
気づかれると思います。これ、茎生葉(けいせいよう)といいます。
その形がまるで仏様が座る蓮華座みたいに見えるから 「ホトケノザ」なんです。

この構造には意味があって、
 雨水を葉のくぼみにためて根元に流す
 茎を支えて倒れにくくする
 花を咲かせるための“ステージ”を作る
という、実用性バッチリのデザインなんです。

花の付き方もユニークです。ピンクの唇形の花が
なぜあんな変な角度で飛び出しているかというと
昆虫に“花はここだよ!”とアピールするため。

 下唇が“着地台”・上唇が“屋根”
 喉の奥に蜜があるけど、その途中に雄しべ・雌しべが配置されている。
つまり、植物が希望する昆虫のサイズ・動きに合わせて
受粉を得るための(他家受粉)デザイン。

もうすこし観察すると、飛び出してる花(開放花)に対して
葉の陰にちょこんとつく蕾のようなもの(閉鎖花)に気づかれると思います。
 目立たない
 ほぼ開かない
 確実に種を作る(自家受粉もできる)

この“二刀流”がホトケノザの強さ。
風が弱く 昆虫が少なく 気温が低い時期にも
確実に種を残すための保険をかけたこの仕組み、お見事です✨